
漫画家の望月三起也さんが3月3日の午前7時56分に亡くなっていたことが分かりました。77歳でした。
死因は肺腺がんとのことです。
葬儀は近親者のみで行い、後日しのぶ会が開かれる予定のようです。
望月三起也さんのご冥福をお祈りします。
5年前から肺がんを患っていた
望月三起也さんは実は5年前に肺がんと診断されて、手術を行っていました。
その後は抗がん剤の点滴を行い、順調に回復に向かっていたそうです。その回復ぶりは医者も驚くほどでした。
手術後は執筆作業や趣味であるサッカーをする毎日を送っていました。
ところが、2015年の11月に肺がんの再発が発覚します。そして今年の1月には余命宣告がされていました。医者からは、「長くて1年、短くて半年」と言われていました。
その時の説明は奥さんと二人で受けたようですが、宣告後はかなりのショックで2日間寝込んでしまったようです。望月三起也さんが考えたのは残されてしまう家族のことと、執筆中の作品のことでした。
残された余命をどう使うのか・・・悩んだ望月三起也さんは、漫画家としてペンをとることを選びました。
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心残りの作品
肺がんの再発が分かる前に、望月三起也さんはある漫画の執筆依頼を受けていました。
それは1979年から80年にかけて連載されていた『俺の新撰組』という漫画の続編にあたるものでした。
『俺の新撰組』は「初代局長である芹沢鴨が暗殺される」というストーリーで終わっているのですが、漫画のファンからは「ぜひ続きが読みたい」という声が寄せられていたようです。
望月三起也さんの心残りはこういったファンの声でした。
余命宣告後はこの続編を仕上げることに全力を注いでいたようです。物語の構想はすでにできていて、内容としては「五稜郭の戦いで土方歳三が死ぬ」というものだったようです。今年の春には北海道の五稜郭に取材に行く予定でした。
ですが、作品の完成前に望月三起也さんは亡くなられてしまいました。今後描きかけの作品がどうなるのかは分かりませんが、何らかの形で公開してもらいたいですよね。
『ワイルド7』は2年で完結するはずだった
望月三起也さんの代表作といえば、1969年から10年間にわたり連載された『ワイルド7』でしょう。
『ワイルド7』は7人の警察集団が悪を裁くという内容なのですが、7人が皆犯罪者であるという所が面白いところでした。とくに主人公の飛葉大陸(ひば・だいろく)の大胆不敵さはとても魅力的でした。ワタシは父親の本棚から拝借して読んでいたのですが、わくわくしながら読んでいたのを覚えています。
読者からも大変好評だった『ワイルド7』ですが、実は2年で話が完結する予定だったそうです。10年続いたのは、ファンから「連載を続けて欲しい」という内容の手紙が大量に届いたからでした。
ファンのことを第一に考える望月三起也さんらしい粋な計らいでしたね。
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